収益物件のインスペクション、大事な2つの目線

通常、収益物件のインスペクションでは、マイホーム購入の際のインスペクションと異なり、入居者様に直接アドバイスすることはできません。
では、具体的に物件をどのようにみて、どんなアドバイスをするのでしょうか?
今回は収益物件インスペクション時に必要な2つの目線について、事例を交えて解説します。
①入居者が気持ちよく暮らせるために危険がないか、オーナーにアドバイス
まず、オーナーとして、入居者に気持ちよく住んでもらうためにまず気を付けたいのは、「建物に危ない場所はないか?」ということ。
例えば、こんなケース。
・共用階段や共用廊下(防水)がめくれている
入居者がつまづいて怪我をしてしまうかも。
・階段の手すりがぐらぐらしている
こちらも入居者の怪我につながる可能性があります。
・上階廊下や階段手摺下が大き大きな空間がある
下に物を落とした際に、通行人に怪我をさせてしまうかもしれません。
建物で何か事故につながれば、物件を所有するオーナーさんのリスクにもなるのです。
修繕をするのがベストですが、すぐに手配できないときは、せめて注意喚起の張り紙をするなど、何かしらの配慮が必要です。
また、デザイン性の高いマンションなどは、見栄えを重視するあまり、入居者の安全性がおろそかになってしまっている物件もあります。老朽化だけでなく、こういったところも重ねて注意が必要です。
②これからここに入居したいと思えるか?の入居者目線
空室の場合、第一印象を左右する外観・外周りについては、重点的にアドバイスを行います。
外観の印象が悪ければ、内見しようという気持ちは起きません。
例えば、こんなケース。
- 鉄骨階段が錆びている
- 階段、階段室のひび割れ、落書き、防水のひび割れ
- 外壁(特に道路から見える目立つ箇所)のひび割れ、コケ
- 植栽の管理(つる性植物などは、外壁にダメージを与えるケースもあります)
- サイクルポートの屋根材の劣化
- アプローチのタイルの欠け(転んでけがをすることも)
大したことないひび割れも、入居者に与える印象、という観点からオーナーさんの余力があれば修繕をお勧めします。
建物の状況を確認し、必要な対策を立てることで、入居者の方が長く気持ちよく住んでいただけるような物件にしたいですね。
そうすることによって安定した賃貸経営が出来るのではないでしょうか?
購入時には、建物のプロ、ホームインスペクター(住宅診断士)のアドバイスを受けるのもおすすめです。
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