投資用中古マンション、室内壁のこんなトラブルにご注意を!
中古マンションホームインスペクション(住宅診断)で見つかった、室内の壁に関する不具合事例を2つご紹介します。どちらもご依頼者が「何度も見学したのに気付かなかった!」とおっしゃったものです。
壁紙の黒ずみが教えてくれること
数年前に内装リフォームしている築28年の分譲マンションの一室です。
やはりリフォームして間もないだけあって、全体的にキレイで、設備機器類もすぐに交換が必要なものはなさそうでした。
ただ、内装で1箇所気になるところを発見しました。
壁の隅に少し黒ずみがあります(写真中央より少し下)。
昭和から平成にかけて建てられたマンションだと、断熱性が低いゆえに結露が発生し、結果壁紙の表面にカビが生えるのはよくあることです。
ですがこの部屋の場合、よく見かける結露の黒ずみとはちょっと様子が違っていて、壁紙裏側からしみ出るようなカビの生え方です。ホームインスペクター(住宅診断士)は原因が結露であると断定できませんでした。
そこで、真上の窓から外壁を見てみると…
わかりにくいかも知れませんが、タイルにかなり大きなひび割れが走っていて、しかもその周辺が集中的に汚れています。この位置は、ちょうど室内壁に見つかったカビの右上にあたります。
この条件だけでは断定はできませんが、雨漏りの可能性が考えられます。
ご依頼者様には「リフォーム時に、この部屋については壁紙を貼り替えるだけでなく、内装壁を外し雨漏りの有無を見てもらったほうがいい」とアドバイスをしました。
穴は穴でも・・・
こちらは、築16年の分譲マンションです。
特に大きな不具合も見つからず、ハウスクリーニングと壁紙のリフォームだけで問題なさそうと話していたときに発見したのがこちらです。
壁に設けられた、エアコン配管用の穴(スリーブ)です。
よく見ると、外側の穴の位置がずれていました。本来、室内側の穴と室外機置き場の外壁側の穴は配管を通すため、同じ位置になくてはいけません。
しかし、この部屋の外壁側の穴が5センチほどずれていたため、配管を通せるスペースはほんのわずかになっていました。このままではエアコンが設置できません。おそらく、前居住者はこの部屋にエアコンを置いたことが無かったため、気づかなかったのでしょう。
この不具合については、壁内部の筒(管)を内外でつなげられればエアコンの設置は可能ですので、ご依頼者には「リフォーム会社にこの部分の修繕を伝えれば大丈夫です」とアドバイスをしました。
室内壁の代表的なチェックポイントとは
中古住宅の劣化・不具合事例はたくさんありますが、室内壁の代表的なチェックポイントは以下となります。
- 壁紙すみの黒ずみの有無(雨漏りまたは結露を疑う)
- 給気口や使っていないエアコン配管用の穴(スリーブ)の内部
ご自分でチェックする際は、以下の点にお気をつけください。
※ 給気口や配管用の穴は、手で回すと簡単にフタが外れるものがあります。
※ 給気口開けるときは売主さん(または仲介会社)に許可を取ってから。
※ 壊れそうなとき、周辺が汚れそうなときは無理して開けないようにご注意を!
自分ではできない、わからない!というときは、専門家に相談してみましょう。
セルフチェックでは判断が難しい不具合・劣化について、ホームインスペクター(住宅診断士)が診断!